遠くへ行きたい ⑩ ー オレはトム・ハンクスか!ー [時空の旅]

9月のはじめに緊急事態宣言下の大阪へ1泊2日で行ってきました。古い友人たちがやるフリーコンサートを見るためです。不要不急の外出はずっと自粛していましたがこのコンサートは僕にとっては不要なんかではないし、今、行かないと(僕ももう歳やし)二度と見ることができないかもしれないのです。それでもギリギリまで迷っていたのですが、やっぱり、行くことにするわ、と友人に伝えると彼は早速新幹線とホテルがセットになったチケットを送ってくれました。僕は旅行が苦手でこういう段取りがちゃんと出来ないんです。情けないです。
 コンサートは雨が降ったりやんだりでしたが見に来てるお客さんも出演してるミュージシャンもコンサートを作ってる人たちもみんなそれぞれが楽しく時間を過ごしている素敵なコンサートでした。行って良かったと思いました。
 帰りのチケットは、ちょっとでも長いこと大阪に居れるように遅い時間にして、という僕の希望で新大阪駅夜の8時9分発「のぞみ」56号です。それで10時にホテルを出て阪急宝塚線曽根駅前の喫茶店で古い友人たちと待ち合わせて45年前とおんなじアホな話をして、いっぱい笑って、もう、満腹や!と思ってもまだ午後1時半でした。まだまだ時間はあるけどやっぱり緊急事態宣言下やからあんまりぶらぶらするのもあかんなぁ、と思ってたら友人が、早い時間に変更してもろたらええんちゃうのん、できるはずやで、と教えてくれた。それでチケットを見てみると「乗り遅れた場合は自由席であれば後の列車に乗れます」と書いてあったのでもう早めに東京へ帰ることにしました。とりあえず梅田まで出ました。何処かでうどんでも食べて新大阪へ行こう、と思ったけど緊急事態宣言下やのに日曜日の大阪駅は人がいっぱいでした。なんか嫌な感じがしたので、もうこのまま新大阪に行くことにしました。新大阪に着いたらまだ3時半でした。

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 新大阪駅について改札口の駅員に、このチケット早い時間に変更したいんですけど、と言うと、これは前乗りできませんよ、あとの列車には乗れますけど、変更したければ旅行社の方に連絡してください、と言う。えっ!そんなん無理や。そしたらこれでもう一度大阪まで行けますか?と聞いたら、このチケットではダメです、別に購入してください、と言われた。どないしょ、とりあえずなんか食べようと思って構内をウロウロしたけど入りたい店がなかったので、改札口を出たところにある食堂街に行きたいと思って駅員に、あそこに行きたいねんけど?というと、ほんとはダメなんですけど駅の外に出ないのなら特別にハンコ押したげるから、出ていい、と言われました。その時食べたカツカレーの味なんか覚えてません。
  
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 カレーも食べたしとりあえず待合室へ行こうかなと思ってチケットを新幹線の改札に入れたら、ガチャンとバーが閉まりました。駅員が来て、このチケットは時間が早すぎるみたいやね、まぁいいです、入ってください、ただし出たい時は係りの者に言って下さい、と言われた。もう、踏んだり蹴られたりである。というわけで僕は新大阪駅の新幹線の待合室で4時間半を過ごさなければならなくなりました。こんな話トム・ハンクスの映画でなかったかなぁ、あれは空港やったかなぁ。

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 待合室では、僕は本を読むには拡大鏡がいるので読めないし、難聴なのでiPodを聞く時はボリュームをいっぱいに上げていて音が漏れるので他人がいるところではでは聞けません。仕方ないのでちょっとうたた寝したり、周りの人のこと観察したり、隣のスタバは人多いからちょっと先のお客のいないドトールでコーヒー飲んだり、買う気もないのに大阪土産の店覗いたりして構内をぶらぶらしても時間はゆっくりゆっくりしか進みません。もう、出発時刻の20分前にはホームのベンチに座って列車がくるのをただ待ってました。
    
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午後8時9分、やっと「のぞみ」は東京へ走り出しました。なんか長〜い1日やったなぁ。家に着いたら午後11時半でした。旅行社からチケットと一緒に送られて来た、「必ずお読みください」と書かれた書類を確認すると「この新幹線のチケットは乗り遅れた場合は後の列車の自由席には乗れますが、前乗りはできません」と書いてあった。
これからは「必ずお読み下さい」と書いてあったら、必ず読むことにします。

ちなみにコンサートから2週間以上たった先日、友人から、コンサートの出演者、スタッフ、お客さんの中から感染者は1人も出ていません、という連絡があった。良かった、良かった。

ということで長いこと付き合っていただきありがとうございました。今回のBGMはボブ・ディランさんのアルバム「追憶のハイウェイ 61」(1965年)から ’イット・テイクス・ア・ロット・トゥ・ラフ、イット・テイクス・ア・トレイン・トゥ・クライ(悲しみは果てしなく)’です。






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junji takao

プロフィール見たら70越されてるのにオサレですね。村上春樹の小説の主人公の未来って感じでかっこいいですね。
by junji takao (2023-02-17 01:31) 

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