犬の話 ① [昔噺]

ものごころついた時(4歳か5歳か、覚えてる一番古い記憶は幼稚園に行くのが嫌で途中で家に引き返したらオカンにえらい怒られたことです、ってなんとかは双葉より芳しやな)我が家には犬がいた。「ペス」という名前の赤茶色の毛の短い雑種の犬でした。その頃、我が家は父が働いていた会社の社宅に親子6人 (僕は末っ子 )で暮らしていました。その家には結構広い(というても子供の記憶ですが)庭があり、鶏小屋もあり庭には二羽にわとりもいてました。ほんまです。ペスは当時のほとんどの家の犬がそうであったように番犬であった。昼間は犬小屋のそばに鎖で繋がれて、押し売りのオッサンなんかが来ると、ワン、ワンと吠えてくれます。そして夜中には放し飼いにして家の周りの番をしていました(いまこんな飼い方したらえらいことになります)。近所に遊びに連れて行くときも放したままで、途中で野良犬と喧嘩なんかになると大変でした。あの頃は学校の帰り道で犬がさかってるのを見つけるとみんなでいろいろ邪魔をしたったもんです。今思うと悪いことしたなぁ、ごめんやで。子供はほんま残酷やなぁ。

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時々、朝になつてもペスが小屋に帰っていない事がありました。アッ、しもた、今日は第三木曜日や。あの頃、私たちの町では月に一度「犬取り」の日があり、保健所の人が野良犬を捕まえに輪っかの付いた棒を待ってオート三輪で夜の町を走りまわってました。そやからその日の夜は犬を放したらあかんかったんです。まぁ、ペスには首輪に鑑札が付いてるのでその度に保健所に引き取りに行くことになります。ところがある時本当にいなくなりました。どうしたんやろなぁ、保健所にもおれへんし、どっかに連れていかれたんやろか。結局それっきりペスは帰ってきませんでした。その頃、赤犬は食べられるねんてぇ!という噂を聞いた事がありました。ほんまやろか、と思いました。それからしばらくして庭の二羽のニワトリもいなくなりました。これは私たちが食べたそうです。


           犬の話・犬とり.jpg


ということで今年が戌年やからというわけではありませんが我が家の犬のことを時々書こうと思ってます。ここに書く犬の話はフィクションではありませんが、なんせ僕の記憶の話なので不適切な表現や、間違いがあるかもしれませんがそこんところは大目に見てやってちょうだい!。


そして今回のBGMはエリック・クラプトンのアルバム『安息の地を求めてーThere’s One in Every Crowd』から「メイク・イット・スルー・トゥデイ」です。なんでもこのアルバムのジャケット写真の犬はクラプトンが子供の頃に飼ってた犬らしいので。




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