犬の話 ② [昔噺]

小学5年生の時、父の定年で社宅を出て引っ越しをしました。電車でひと駅のところです。本当なら転校しないといけないのですが、あと2年なので特別に電車通学を許可してもらいました。友だちと離れずに済んだし、毎日定期券を首からぶら下げて電車に乗れるのは楽しかった。ところが学校が終わって家に帰ると近所に友達が一人もいないのでちょっと寂しくて退屈でした。そんな僕を見て、父が犬でも飼うか、と言いました。引っ越した町の駅前の商店街に小さな小鳥屋さんがあり、その店先に小さな檻の中にどっかから拾われて来たに違いない真っ黒な子犬が売られていました。この犬でええわ、とその雑種の子犬を買ってもらいました。名前はコロと付けました。そうそう、コロは200円でした。よく覚えてませんが当時はキャラメル1箱が20円くらいやったみたいですからやっぱり雑種ですね。

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知らない町をコロと一緒に探検に出かけました。引っ越した先は前に住んでたところと同じ市内なのに外れにあるせいかだいぶ田舎のような気がしました。家から15分ぐらい歩くともう田んぼがあり川が流れていました。その川沿いの道を散歩してると、なんか、遠くの方からグオーっという音が聞こえてきて、その音はだんだんと大きくなって来ます。音のする方をみると飛行機が小さく見えます。と思ってたらその飛行機もグングンと大きくなってこっちの方に向かって来ます。そして僕らの頭上スレスレを飛んで行きました。びっくりして僕とコロは思わず首をすぼめました。飛行機は川を越え、その先の田んぼの向こうへ飛んで行きました。そこは伊丹空港で、ここはその滑走路の着陸コースの真下でした。(余談ですがこの川沿いをもう少し南の方へ行くとあの森友学園です)

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ある日、親戚の叔父さん(父の弟)がやって来た時にコロを見て、この犬は四つ目だから縁起が悪い、早くどこかへやったほうがいい、と言いました。しばらくして母が大病を患い、叔父さんは、ほら、やっぱり、と言いましが僕には信じられませんでした。その後、母の病気は快復しました。しかし、コロはわずか3年たらずで死んでしまいました。

今回のBGMは、エディー・リーダーの ’ プレイ・ザ・デビル・バック・トゥ・ヘル ’ です。




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散歩の途中 ⑮ [散歩]

今頃の季節には気持ちがいいのでよく自転車でも散歩に出かけます。以前、世田谷区の経堂に住んでいた頃、時々多摩川まで自転車で行ってました。経堂から多摩川へ行こうと思うとあそこら辺は坂また坂でめっちゃくちゃしんどかったです。ところがいま住んでいる隅田川の東の墨田区や江東区はもともと海やったところを埋め立てているので真っ平らで坂がありません。どこまでも自転車でスイスイと行けます。スイスイと行けますからどんどん遠くへ行けます。東京湾までも、まだ行ったことはないですけど。当たり前ですがスイスイと遠くへ行ったら帰ってこなあきません(帰りたくなくてもです)。いくら坂がない言うても気をつけないと家に帰ったらヘトヘトになります。

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ということで今回の絵はいつもの散歩コースよりちょっと遠い墨田区の亀沢というところにある (あった)東京鉛(株)という会社の工場です。全面トタンの建物で初めて見たときにええなぁ!と思いました。今回もういっぺん見とこかなと思って行ってみたらスーパーのサミットになっていた。まぁ、しょうがないか。


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それと自転車なんで亀沢からもうちょっと南へ江東区の白河あたりまで行きます。そこに北十間川から分かれてきた大横川と隅田川と旧中川を結ぶ小名木川が交差するところがあります。運河と運河の交差点、ここも好きな散歩の途中の風景のひとつです。


      今回のBGMはサム・クックの ‘ ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム ‘ です。




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